ファンコミュニティの設計や構築によって、対象となるブランドやサービス、製品などの熱心なファンとの長期的な関係を育むことができ、LTV(顧客生涯価値)の向上につながります。さらにファン自身がコミュニティで投稿や発信を行うことによって、UGC(ユーザーにより作成されたコンテンツ)が増え、ブランドへの信頼向上が期待できます。
さらに、VoC(顧客からの声)を収集・分析により、ブランドやサービス、製品の企画や開発に新たな視点が加わるという面もあります。
ファンクラブの運営は、一般的に「運営側からファンへの情報提供」が中心となります。それに対して、ファンコミュニティの場合は、ファンと企業・クリエイターやファン同士が双方向に交流や共創を行える場となっており、運営側は「場の設計」や「コミュニティ活性化のためのサポート」を行います。
以上から、「会員限定のサービスや特典などの提供を重視する場合」はファンクラブを活用、「ファンの声や活動を育ててブランドや製品、サービスの価値を高めたい」と考えるのであればコミュニティを活用する、といったように使い分けることが有効であると考えられます。
KGIとは「最終目標(長期的な目標)」を指す言葉ですが、コミュニティを構築する上では「目的」と「KGI」を言語化することが大切になってきます。具体的には「このコミュニティの構築によって、最終的にどのような成果を出したいのか」という点を明らかにします。さらに、このコミュニティ活動をどのように事業やブランド戦略と繋げていくかという点を設計していきます。
ファンコミュニティを設計する場合には「どのような人物(ペルソナ)がどのような動機や関心を持って参加するのか」をはっきりとさせておくこともポイントとなってきます。この点から、コミュニティへの参加の入り口や継続につながる設計を行えるようになります。参加者が「どうしてこのコミュニティに参加するのか」という動機について把握することが大切です。
「Participation」とは、「参加」や「関与」を意味する言葉です。コミュニティを設計する場合、ファンがコミュニティに参加する仕掛け作りが必要となってきます。そのためには、まずはお題を設定してファンが「見る→反応→投稿→貢献」という行動を促すようなサイクルを作ることによって、コミュニティに参加する習慣を作れます。
コミュニティのローンチ前には、初期FAQ/ハウツー/成功事例をあらかじめ用意しておくと、参加者が迷わずに行動できるようサポートできるようになります。また、この対応によって初期に質問が運営側に集中することを防げるため、運営の負担軽減にもつながるというメリットも期待できます。
作成する際には「実際の質問やトラブル事例を反映する」「わかりやすく端的にまとめる」「アクセスしやすい構成にする」「情報に応じて更新を行う」「成功事例は具体的に」といった点を押さえて作成すると良いでしょう。
新規参加者が不安なく最初の一歩を踏み出すためにも、「ウェルカム体験」と「オンボーディング設計」も大切です。例えば、自己紹介や簡単な初回投稿テーマを用意しておくといった対応を行うことによって、参加者の離脱を防ぎます。
ファンコミュニティの立ち上げ時には、アンバサダー(熱量の高いファン)を任命すると良いでしょう。その上で、アンバサダーが模範的な行動を促すことによってコミュニティの雰囲気作りにつながっていきます。また、お互いを賞賛し合う文化がファンの参加意欲向上に寄与します。結果的に、活発な投稿や貢献につながっていくことが期待できます。
ファンコミュニティの構築にあたっては、プラットフォームを選択する必要があります。しかしさまざまな種類があることから、どのプラットフォームを選択すべきか迷ってしまうケースもあるでしょう。例えばSaaSであれば、短期の立ち上げや運用コストの抑制などが期待できるものの、カスタマイズに制限があるといった面があります。また、自社開発を行う場合には、自社のニーズに合わせたカスタマイズが可能ではあるものの、コストや運用負担が大きくなるといった面があります。
以上の点から、コミュニティ構築の目的や規模、内製体制などさまざまな面からの判断が大切です。
プラットフォームには、権限管理や投稿内容について監視・制御を行うモデレーション、検索機能や分析機能などさまざまな機能があります。そのためコミュニティ構築を行う上では、どのような機能を必須とするのかという点を検討し、明らかにした上で設計を行っていくことが大切です。
SSOを用いたファンコミュニテイと既存の会員基盤との連携によって、より利便性の向上を図れます。また、CRMやMAツール、Slackといったビジネスツールとの連携を行うことによって、さらに効率的にビジネスへとつなぐことができるようになります。
多くの企業が注目するファンコミュニティですが、サービスによって「得意なこと」は全く異なります。今回は、主要なプラットフォームを目的別に3つのタイプに分類。自社のフェーズや目的に合わせて必要なサービス選びの参考にしてみてください。


